クーポラの構造図1

 

1.Calotta・屋根のドーム
内側はある部分では約2mの厚さ、これは他の部分も殆ど同じで、外側はもっと薄く、基礎部分は1.3m、頂点部は90cm。

 

上図(クーポラの構造図1)および下図(クーポラの構造図2)a),b),c)によれば、聖堂のクーポラは2重構造になっている。内と外の厚さの比、そして内側が外を支える関係になっている、ということは、この仕切りの壁が示している。

クーポラの構造図2
出典:Magazine Flaccovio

 

2.Scalo・引き上げ斜面
建設中の工事労働者達の仕事や補填をしやすくする為に、2つの壁の間を石段が通っている。 窓から明かりを取った3段階の歩道で、最後の階段は直接に急傾斜を内側から外に出るようになっている。これが現在クーポラの見物客が上り下りする階段で、壁と壁の隙間、幅は約1.2m。(図3

図3

 

3.Mattoni・煉瓦
ブルネレッスキはレンガを「ヘリンボーン・杉綾織」に並べる方法を上部に、下部には技術ミックスを使った。そしてヘリンボーン式の場合、クーポラの傾斜に合わせ軽く内側に傾けるように、そして別のレンガとの間が少し開くように角を回して置き、隙間をモルタルで埋めた。

 

これは衝動や振動を和らげ、ずれを防ぐ為の工夫である。

煉瓦

 

4.Costoloni esterni・外側のリブ
クーポラ基礎のドラムの角部分から延びる付け柱(リブ)。

外側のリブ

 

5.Embrici・瓦
クーポラの外を覆う瓦。

クーポラの外を覆う瓦

 

6.Buche pontaie・組足場用の穴
足場を組む為の梁を通した穴。 何世紀にも渡って残されているのは、修復用の足場に使うため。

組足場用の穴

 

7.Lanterna・頂塔
クーポラの頂上にある冠、小礼拝堂を模した大理石製で、美的な意味づけの他に、2つの層の壁が合い閉じられた場所。

頂塔

 

8. Volta interno・ヴォールト(丸天井)内部
ジョルジョ・ヴァザーリとフェデリコ・ズッカーリによって、フレスコ画『最後の審判』が描かれた。

ヴォールト(丸天井)内部

 

9.Loggetta・外のバルコニー
1512年にバッチョ・ダンジェロ・Baccio d'Angeloにより建設され始めた(ブルネレッスキによって既に予見されていた)ものの、ミケランジェロの「コオロギの巣みたいだ」という酷評により取りやめになった。

 

クーポラの南東側に一部分のみ残っている。

外のバルコニー

 

10.Tribune morte・扶壁(防壁)
クーポラからの重量を外側に逃す為の張り出しの扶壁(防壁)。

扶壁(防壁)

 

11.Oculi・丸窓

丸窓


アニメ動画で構造及び建設方法を見る

Brunelleschi's Dome on National Geographic

 

出典:National Geographic